チャーハン 2008 1 19
「チャーハンは、大した材料も使ってない。
その上、作り方も簡単で、誰でも知っている。
だから、素人でも作ることができる」
しかし、素人が作ったチャーハンは、おいしくない。
プロが作ったチャーハンと明らかに違う。
材料も単純で、作り方も単純なのに、
プロと素人では、大きな差が出る。
それが、生産技術の説明となります。
団塊の世代が大量退職をする今、
生産技術の伝承には、万全を期すべきです。
生産技術 2005 1 23
「なぜ、トヨタ自動車の株価は、もっと上がらないのか」という話をよく聞きます。
確かに、私が考えても、トヨタ自動車の株価は、もっと上がってよいと思います(2005年1月23日当時)。
それは、「科学技術」と「生産技術」の違いを考えれば、そう思えるのです。
トヨタ自動車には、ハイブリッドカーという技術があります。
この技術は、科学技術で考えれば、画期的ではありませんが、
生産技術で考えれば、画期的です。
「実験室では作れても、工場で安定的に生産できるか」という問題です。
話が抽象的になりましたので、もっと、わかりやすい話をします。
中高年の方は、休みの日に、趣味で、「手打ちうどん」を作る人が増えたそうです。
ある人が「手打ちうどん」を作ったら、たまたま、プロ並みの「うどん」ができたとします。
そこで、「それでは、もう1回作ってください」と言われたら、どうでしょうか。
おそらく、それは、できないはずです。
ここが、素人とプロの違いです。
素人は、たまたま、偶然に、プロ並みの「うどん」を作ることがあるでしょう。
しかし、プロは、おいしい「うどん」を、毎日、何回でも、安定的に作ることができるのです。
「科学技術」と「生産技術」の違いを考える時に、
素人が作る「うどん」と、プロが作る「うどん」で考えれば、よく、わかるでしょう。
それほど、「科学技術」を「生産技術」に昇華させるには、高いハードルがあるということです。
「うどん」で話をしましたが、チャーハンだって同じです。
チャーハンならば、誰でも作れるでしょう。
そして、偶然にも、プロ並みのチャーハンができることもあるでしょう。
しかし、それを、毎日、毎回、安定的に作れるのか。
毎日、毎回、安定的に作るには、長い修業が必要でしょう。
しかし、たいていの人には、長い修業をするほど、暇はありませんので、
「大した材料は使っていないのに、高い」と思いつつも、
プロが作ったチャーハンを買うことになるのです。
(確かに、チャーハンには、大した材料は入っていません。
おそらく、プロの技術を、お金を出して買っているようなものでしょう)。